GB250のリフレッシュ(CRF250用中華DIコイルを用いたダイレクトイグニッション化)


【2018.11.12】


あまりにも目立たないDIコイル

 って事で、GB250のDI化(ダイレクトイグニッション化)を実施しましたので、簡単にレポなど。

 2000年代に入って以降、キャブ→インジェクションって流れと平行して、ダイレクトイグニッションもバイクの世界で一般的になってきました。GB250の前に乗っていた2004年型GSX-R750ではすでにDIでしたので、私的にはそれほど珍しいものではないのですが、仕組み的には非常に理にかなったものですので、燃焼的に厳しいと思われるGB250もDI化してみることに。

 サクッとググると、GB250用として完成品が8000円ちょとで売ってますので、それを買って純正コイル〜ハイテンションコード〜プラグキャップ一式と付け替えるのが一番お手軽で確実だと思います。

 はじめに簡単におさらいしておくと、80年代以降のバイクの点火方式は、

 ・CDI方式
 ・トランジスタ方式

の2つに大きく分かれます。それぞれの違いやメリット・デメリットはググって頂くとして、GB250の点火方式は、CDI(AC-CDI)方式となります。

これは、

1)発電機で発電した電気をシート下のCDIユニット内のコンデンサに溜め込む
2)ピックアップで拾った点火信号をトリガーにして溜めた電気をイグニッションコイルに流し込む
3)イグニッションコイルで二次電流を起電し、ハイテンションコード・プラグキャップ経由で点火プラグに導き、スパークさせる

って方式で、DI化(ダイレクトイグニッション)ってのは3の部分を1つのパーツにまとめてプラグに被せただけになりますので、CDIユニットそのものは純正=点火タイミングやレブリミット(リミッタが実装されてるかは不明)はノーマルそのものです。しかしながら、ハイテンションコードを省くことができますので、コードでのロスやコードの接点不良などを防ぐことが出来る...といいなぁw (GB250のコードは十分短いので、それほどロスはないと思います)

 ※DIユニットとの電気特性のアンマッチでCDIユニット側が壊れる可能性は常にありますので、DIYでの改造の場合はご留意ください。まぁ、壊れちゃっても中華汎用CDIでエンジンはかかるようですが。

 で、実はCDI点火用とトランジスタ点火用では、イグニッションコイルに求められるスペックが違うんです。これはDIでも普通のコイルでも同じ。条件さえ良ければテレコにしてもプラグに火は飛ぶと思いますが、各点火方式での性能をフルで発揮させようとすると、それぞれの方式にあったコイルを選ぶ必要があります。特に最新型の電気制御をECUでフルに行なっているバイクだと、FIエラーなどが表示されてエンジンがかからなくなったりするようです。

 ヤフオクで出回ってるDIユニットはGSX-RやCBR、Ninjaなど、殆どフルトラ点火のバイク用ばかりですので、そのままCDI点火のGB250に使えるのか、使えたとしても性能がフルに発揮できるのかは不明でしたフルトラ用のDI(CBR1000RR用)をCDI点火のVTR1000Fに流用成功した例はあります)ので、同じCDI点火且つDIのCRF250X用のDIユニット(30700-KRN-671)をWebike経由で取り寄せ...るのも芸がないので、中国の通販サイト「アリババ」(通称:蟻)から、互換コイルを買いました。購入時の値段は、追跡可能郵便での送料込みで2396円でした。

届いたDIユニットはこんな感じ。
Densoさんの純正品とはヘッドの刻印の有無ぐらいしか外観上の違いがないです。
巷のCDI用強化コイルはこれを使ってるんだと思います。

分解するとこんな感じ。
右がコイル本体、左下段はプラグに刺さるゴムキャップ
中段はコイルに巻かれているノイズシールド用?の鉄板、一番上がプラグホールを塞ぐ防水キャップです。

各部のサイズは概ねこんな感じです。

雨に濡れるので、接続は防水コネクタが確実です。

 Densoさんのと全く形状は同じですので、DIとの接続コネクタは配線コムさんから防水コネクタを手配。パーツが540円、送料が260円の合計800円でした。

 テスタで当たったところ、極性もDensoさんと全く同じで、コイルのコネクタを上に向けた状態で、向かって右がCDIからの信号線、左側がアースとなりますので、手持ちの1.25sqの電線を使ってコネクタを組み立て、配線チューブで保護。プラグキャップとイグニッションコイルを車体から外し、車体側(CDI側)の信号線に平形端子で接続。GB250では丁度ホーンの上ぐらいで接続することになりますが、車体前方にあたりますので、こちら側の防水もできればしっかりやったほうがいいです。(ちなみに、車体のメインハーネス側がメスになるので、新造するDI側ケーブルはオスの平形端子をかしめます)

 タンクを外してDIをテスト接続し、問題なくエンジンが始動することを確認後に配線の取り回しを最適化。結局、純正のハイテンションコードと同じ取り回しがケーブル長が一番短くなるのですが、DI側のコネクタが前を向きがちなので、エアクリーナ側まで一旦引き込んでから、前側に出すようにしました。

最初期のショット。暗くてよく見えませんね。^^;
プラグホールキャップと磁気シールドを外して装着してます。

 また、GBにはプラグホールがないってことで、一旦はプラグホールキャップを外して装着したんですが、DIは頭が重い(頭にコイルがある)ので、振動が多いGBだとプラグ側が外れてしまう可能性もありますので、キャップを少し浅めにずらして装着し、カムカバーの間にちょうどハマるような位置で固定しました。


こちらが最終レイアウト。
プラグホール用のキャップでDIの頭部分を支える感じです。

プラグの焼けはこんな感じ。
...とはいえ、全開でチョップしたわけではなく、
ツーリングから帰宅→コックオフ
→フロート室のガソリンを抜くためエンストするまでアイドリング後なので、
結構くすぶってますね^^;
あ、プラグは純正品ではなく、NGKさんのJR8C(二極プラグ)を使ってます。


 換装後に街乗り・ツーリングでざっと走ってみた感じでは、

  ・始動性は少し良くなっている(元から悪くはない)
  ・長い下り坂でのアフターファイヤが全く出なくなった
  ・エンブレはとてもまろやかな感じで、低速ギアでのギクシャクは減った

って感じで、ネガな部分は今の所見つからない感じですので、商品到着まで時間がかかることを考えても、結構コストパフォーマンスはいい感じだと思います。

 最後に、各コイルの実測の抵抗値です。

  GB250純正コイル

   一次側:0.2Ω 二次側:2.94kΩ(プラグコードは外して計測)

  中華製CRF用DIコイル

   一次側:0.1Ω 二次側:5.3kΩ

 なお、LCRメータは持っていないので、両コイルともインダクタンス値は不明です。

  ※車種によりまちまちですが、フルトラ点火用DIの一次側抵抗値は1.5~3.5ΩとCDI点火用と比べてオーダーが一桁違いますので、コイル選定にはご注意ください。

 また、厳密に言うと同じCDI点火とは言っても、GB250はAC-CDI、CRF250はDC-CDIですので、CDIユニットからコイルに放電される電圧は異なる可能性が大きいですから、CRF用DIユニットをGB250に流用することで、今後も不具合が出ない保証はありませんので、同じような改造を実施する場合はご留意ください。(私の車両に不具合などが出れば、随時更新する予定です)

 かかった費用:

   中華製CRF用DIコイル:2396円(送料込み) 到着まで3週間ぐらいかかります。
   防水コネクタ:800円(送料込み)
   電線、平形端子、保護チューブなど:0円(手持ち在庫を利用)

【2022.09.20追記】

いつのころだったか忘れましたが、プラグと接触する部分が磨滅して、手で引き上げればスポッと抜けてしまうようになったため、元の純正コイル+プラグキャップに戻しました。

水冷のプラグホールとは違い、やっぱ、解放されていると頭が重いDIは結構振動してしまい、押し込むだけの固定では長期運用は難しいんでしょうね。それ以外にネガは無いので、多少整備性は落ちますが、本格的にDIで運用するなら、頭を支えるステーを作って、ヘッドカバーにタップを立てて、ネジで完全に固定するしかないような気がします。

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